詩など三編/道草次郎
ない
と言われた
意味がわからない
その通りだなとおもった
ドリンクバーをたくさん飲んで
三時間ぐらい話して帰ったら
思いのほか疲れていて
次の日の朝は
八時まで寝てしまっていた
陽の当たるところにでると
まつ毛のあたりに痒い光がまとわり付いて
それだけのことが
それだけのことのなかに嗤っていた
「木のたとえばなし」
何十年もたちつくして根っこが生えていつの間にか木になってしまった。
梢には皮肉の速贄、幹は根腐れの毒水を誘引し、落雷を期待しては小鳥に馬鹿にされ、葉を食む虫には怖気の眼差し。
ある日木は比喩の夢を見る。木はそのまま夢にとどまる比
[次のページ]
戻る 編 削 Point(3)