見えないのか、舞台はすでに準備を整えている/ホロウ・シカエルボク
なものだと思っていた、いつも、その時が一番鮮烈に見えるものだと…でもそうじゃなかった、それは間違いなく徐々に激しく形を変え始めた、だから俺は注意深くそれを見つめていなければならなかった、壊れる、という表現は不思議だ、それはどう見たって壊れている、粉微塵になるのではないかというほどに、巨人の怒りを思わせるほどに徹底的で、恐怖すら覚える、けれどそのあとには、必ず新しい形が残っている、ということは、まだ先があるということだ、もしもすべてが壊れてしまったときは、と時々は考えるが、きっとそれはもう少しだけ先の話だろう、俺がまだどこにもたどり着いていないことは俺自身が一番よくわかっている、安易には完成しないも
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