見えないのか、舞台はすでに準備を整えている/ホロウ・シカエルボク
切り取って、さあ持ちやすいだろとそっと渡してやる、いまポップ・フィールドにばらまかれているのはそんなものばかりさ、なにも音楽だけの話じゃない、そして、そんなものをありがたがってるやつらが一番、真実を知っているような口をきいてやがるのさー補助輪をつけてやらなくちゃ思考すら成り立たないんだ、彼らは必要最小限の脳味噌だけを残したアンドロイドなのさ、子供から年寄りまでが同じ理屈を話してる、ほかに大事なものがどこにもないみたいに、いや、おそらくやつらは本気でそう信じているんだろうぜ…地面で砕けるものは時々、刃物のような形状になって弾け飛び、俺の頬に薄い傷跡を残す、それは年々激しくなる、つい去年まではそんなも
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