重力アリス 〜Gravity not equality〜 第一章(小説)/月夜乃海花
は見えなかった。諦めて、目を瞑って眠ることにした。目覚めると私は見知らぬ部屋に横になっていた。
「おはよう!」
「うん?」
犬のような生物が話しかけてくる。前足を私のおでこに置き、全体重をかけながら。
「君、面白いねぇ。僕と同じで重力を気にしないんだねぇ。」
「何を言ってるんだ。」
「何をって、そのままだよぉ。」
確かに、部屋を観察すると家具や飾られている調度品が天井にくっついていた。
「うわっ、なんだこれ、なになになに?!いや、夢だ。夢だわこれ。寝る。」
きっと夢に違いない。私はそう思って寝ることにした。数時間後起きたら、犬は私の隣で丸く眠っていた。そして、世界は変わっていない
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