メッセージ・イン・ア・ボトル/道草次郎
一つの表情を分解することをしないように
ひとつの言葉は分解できない
とあなたは知っていて
世界はあまりに公平だと思うでしょうか
そらは晴れ渡りたいだけ
晴れわたり
わがままな子供のような太陽をあやしています
裏返された名詞に百足のような副詞を這わせ
あなたは叫びのような風を詩に綴りました
今もそう
綴りりつづけています
それを行政文書と見分ける術をほんとうはぼくは知らないのですが
遺跡に推参するあなたの足取りの仄かないい香りだけをたよりに
浅瀬しかない海を泳ぐのは
それはぼくだったでしょうか
それともあなただったでしょうか
時と星と海は比喩により蒸留
[次のページ]
戻る 編 削 Point(1)