一日遅れの敬老の日/道草次郎
いが募るなか、何度かお詫びの手紙を書こうとした。が、考え直しやはり電話にすべきかなどと悩み今に至る。でも、会いに行くのが何よりだというのは勿論よく分かっている。
本当はもっと早く行くべきだったのだが、多くのことが整わなかった。そして、そんなのはただの言い訳に過ぎないのも承知している。それでもぼくには、明日がある。明日はかならず行こう、と思える今日がある。それがどんなに恵まれた事かを忘れない自分でありたい。
新聞の猫の写真の話や相撲の話題があればどうにかなるだろう。それに、ぼくがどんな複雑な感情を抱えていたとしても、祖母にとってのぼくは何人かいる孫の内の一人であることに変わりはない
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