すぐに乾いてしまううた/ホロウ・シカエルボク
 
枯れた樹木が
腐って落ちるように
あなたは居なくなった
あしもとには
かさかさの
かけらが残るばかりで

死んだから永遠
なんて
わたしは
疼く血が好きだから
そんなもの
信じないのです

窓の外では
ぼんやりとした
雨が降っている
誰かが
嘘を放置しているのかもしれない
ふと
そんな気がして

噛みちぎった左手の小指の爪は役立たずのノコギリのよう

深夜ラジオのDJの声は甲高い、きっと
そうしていなければ自分の名前すら忘れてしまいそうで
怖いのだろう
シャツの袖が少しほつれているのを
気にしているうちに結構な時間が過ぎていた

子守唄が
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