9年前の嫉妬/道草次郎
 
、その軽佻浮薄さ、その非論理性、そのわがままさ、その手前勝手さを分かってもらわなくてもいいが、ぼんやりこんな事もあるのかくらいに知って貰いたいのだ。そうすれば、(これも傲慢ないいかたかな?)きっと皆さんの中にも似たような経験の記憶が蘇るはずだから。」


 {引用=どうもこの文章は元々公の場に発表するつもりで書いたようなのだが、その願いが叶わなくてなくて本当に良かったと思う。どうにも面映ゆいというか、ぼくはあの時たしかに若い普通の男が話しているのを見ると、とにかくヤキモキしたものだった。あの男は童貞ではないんだろうなと思っていた。あの男は女性と話ができて、食事ができて、夜にはその女と一緒に寝
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