9年前の嫉妬/道草次郎
 
に寝るんだと思うと絶望的な気分になった。男にはこういうどうしようもない部分がある。しかしながら、男のこうした性的欲求が容易に満たされてしまったら、おそらく自身の中に葛藤が生まれることがないので、物事を考える時の徹底さが損なわれるのかも知れない。というのは、自分の初体験が遅かったことへの後からとってつけた言い訳かもしれないが。
 9年前の自分の考えていたことを読み返して思うのは、何はさておき、自分は基本的に変わっていないなということである。童貞であっても童貞でなくても、考え方の基本は変わっていない。そのことがよく分かった。性のことを書くつもりは無かったのだが、なぜかこういう話になってしまった。青い時代ではあった。しかし、それは青く鬱屈とした何かをひたすら醸成した時代でもあったように思える。今の自分も9年前の自分のように、未来へ向けて何かを醸成しているのであれば良いのだが。
 そんなことを改めて考えさせられた1日であった。}









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