不完全に燃焼する罠/こたきひろし
盛りしていた。
働き出してしばらくは午前十一時から夜の九時までの営業だったがその内に経営者が翌日の午前三時まで伸ばしたから過酷な労働時間になってしまった。
とは言ってもランチタイムが終わり客が退けると一旦店を閉めて夕方六時から再開しその間は体を休めた。
それでも体はきつくて辛かった。
特に深夜時間は睡魔に襲われて客が入らないとカウンター席にすわりまともに眼を開けていられなくなった。そんな時経営者は店舗の後ろにある事務所兼住まいに行ってしまった。
客が来たら呼びに来てくれ。
と言われたが、随分と理不尽な思いを感じない訳にはいかなかった。
三時の三十分位前に客が入って来たのだろう。そっ
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