ラジオの気楽さのままでよろしく/ホロウ・シカエルボク
 
ぼくたちさ
たくさんの分岐が生まれ、その中で
ただの湖は絶対的な存在になる
そんな生き方を知らない人たちが
この世の中には驚くほどたくさんいるんだよ

その夜はなんだかうまく寝付けなくて
ラジオを聴きながら暗闇の中で目を開けていた
光通信のゲートウェイの灯り
この世の果てみたいに静かに点滅している
それを幻想と呼ぶか、それとも別種の繋がりとするのか
それもまたぼくたちかいかに思考するか、それ次第なのさ
新しい価値観なんか要らない
ずっとあるものについてもっともっと
静かに確かに考えていくだけでいい
どんなに時代が移り変わっても
宝物はいつだって苦労して手に入れた宝箱
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