庭の話など/道草次郎
 
を落としていく。梯子に乗ってそれをやるからうっかりもしていられない。大きなナラともなれば電線にまで達するほどの高さだから、気を抜いていると死ぬのである。落とした枝も幹もこれがまた厄介で、けっきょくはバラバラにしないと燃やせない。何か月か放置して乾燥させた後、畑の一角で盛大に焚くのである。新聞紙や焚き付けの為にストックしてある藁などを使い、火を付ける。いくら乾燥させてあるとはいえ最初はどうせ燻っているから、長い柄杓に少量のガソリンを汲んでそれを上からぶちまけてやる。そうすると、一気にぼわっと燃え立ち驚くほど赤々と焔える。ブナやナラはこういう面倒な事をしなければならないので、有るだけで、随分と困るのだ
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