悪の詩集/吉岡孝次
にはないというのに。
「善悪、と並び称されても背中合わせよりは寧ろ」・・・
で解らなくなる。なぜ詰まる?
時間をおいても
言い聞かせてみる俚諺/テーゼは思い浮かばず
とどまることのない落葉ゆえにいつか胴切りにされてしまう街路樹へ
その黄色い路上へ
答え合わせを投げ出して、小憩に
述部がすげ替えられる理由は
あっても
知らない。
結局は
大雨が降っても
数日で乾いた空気がよみがえるように
秋の気配は
黒い装幀の、黒い帯に巻かれた黒い装幀の
底流を
閉じる、蓋のような中断と
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