9月30日雑記/道草次郎
 
こぼれ落ちてしまう。

 そして、だ。
 嗚呼、救いは自然から齎されるのだなと、思う。それを言いたかった。こうやって外に出て、涼しい、いやすこし寒い風に吹かれていると、胸の混濁は僅かに絆され、何か不透明なものが夜のやさしさへと鞍替えする様を身にしんしんと感じる。
 日中ずっと、何をしていたか。銀行や幾つかの用事を済ませた切りで本当に何もしなかった。図書館へ行った。しかし、不穏な感情がずっと纏わりついて仕方なかった。図書館のトイレの洗面台の前に立ち、鏡の下に置かれている小さな鉢の万年草を長い事眺めていたら、小学三年生ぐらいの子供がいきなり入ってきて、一瞬目が合った。子供は何か見てはいけないも
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