意味教徒/消費者
の呪いから逃れることはできないように。
俺のフライドポテトは、
設計上法定ギリギリの品質保証を掠めて店の利益に貢献した、
意味の満塁ホームラン打者である。
つまり、しおしおの惨めな姿に尚同情する必要がないのは
彼が満塁ホームラン打者だからなのである。
そんな中、俺は未だに意味を脱ごうとしていた。
汗ばんだ身体に纏わりつく綿の素材感にイラつきながら、
干し芋が内野を周回するのを見ているベンチウォーマーだ。
はっきり言って、意味自体は脱げる代物ではない。
そんな、石っころのような真理にすら気付けずに
意味の綿シャツを必死に脱ごうとしている滑稽さにこそ、
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