別に詩人なんてもんになったつもりもない/ホロウ・シカエルボク
 
うちに捨ててしまった
迷いなくそこに飛び込んでいく連中が
ひどく
間抜けに思えて

誰かが歌った暗闇を今夜俺が持ってる
それはいつか君が歌ったものなのかもしれない
目覚まし時計が騒ぎ出す頃に眠りに落ちようぜ
そんなことでも少しは気分良くなれるはずさ
何もしないで明日になるよりは
何もしないで大人になるよりはね

多いか少ないかさ、もうそんな正義しか残ってない
イズムにもなり得ない思考は
つるんで笑う以上の言葉を持たない

空っぽの水槽の中で熱帯魚の記憶だけが泳ぐ
そうさ、例えばこれが蝶が見る夢であったとしても
俺は同じことをし続けるだろう
夜は針を進めない、こ
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