別に詩人なんてもんになったつもりもない/ホロウ・シカエルボク
がフライングし続ける
回転数を忘れたターンテーブルだ
そして、俺は
そんなきちがいがたまらなく恋しい
終わらないでくれと
終わらないでくれと願う為だけの
欲望が本当に
掴みたがっているものはなんなのか
夜の中にはその答えがないような気がして
俺はカーテンにもぐるみたいに薄曇りの闇を見る
本当に何も見えない夜にこそ
生きることの喜びがあるような気がして
イラついた果てのアスピリンは
もはや気休めにもならない
寝床には俺の影だけがある
たったひとりの自分に戻るための手段
見通しのいい道で
誇り高い迷子でいるような真似はもう出来ない
その選択肢は子供のうち
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