俳諧となり得ぬひずみの詩/道草次郎
樹の銀河のような欝滞へ今まさに没入せんとする流れ者なる鎹(かすがい)
幼子の睫毛にやどるたゆたいに虚しさはかろくかろく躙り寄り…
然らば
これは神の仕業と云うものか
深緑色のパテントが一々のノンセンスを産むということはつまりは自在なクオリアの絶えた証左に違いない
(生命がほしい即ち所与の奸計が)
五月雨てゆくさみだれてゆくピンク・ムーン
穿孔の孔
しかつめらしく引き潮は盥に寄せて盥は公海に浮かんだ舟だ
流れはせずにプカプカと海嶺うえの水のたまりを漂いながらここは何処ぞの胆汁かなどと気を揉んでいる…
離れていく逆さまなまま
鳥の首をへし折る風圧でヘーリオスとして空
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