命題 他/道草次郎
 
つつつつつつつつつつつつつつ


〈命題?〉


みな安息を欲しながら
朝な夕な
風下にたち
砂時計を手にもつのだ
それを傾けてはふところの猫の頭を撫でつけ
拍動と共に育つ空明にイザナキのようなキスを落していく


〈命題?〉


求めに応じ得られたものの中よりやがて
巣だつ猛禽の雛
それは核酸でなく幽体でなく
さりとて精神(ガイスト)でもなし
それは
安息の為飛翔を志す一個の
宇宙孤児
或いは
濁り眼のあこがれ
真実とは
秘匿されつつも
河畔に於いて
既に盗みつくされた
プラスチックで出来た
墓標群だ



「2世紀
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