母/道草次郎
や自己愛性人格障害やアニマや孤独死や死後や生前や虚無の概念や概念規定の問題や病牀六尺や無や禅定やフウィーヤや寂寥感や諦念や死などのことばかりやたらとむやみに持ち出してこれから生きゆこうとするあらゆる活動欲求を片っ端から唾棄していく
母はそのうち疲れて
ソファーで昼寝をしてしまう
母も安定剤を許容範囲を超え服用し
それでも毎日やらなければならないことを
やろうとしていて
現にやっている
ぼくは自分は死んだ方がマシだなんて思わない
ぼくに死ぬ値打ちなどない
ぼくは生きたいなどと大それたことは言えない
ぼくが生きたいと願うことがどういうことなのかもう分からない
ただ
空が
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