いずれすべては跡形もなくなってしまうけれど/ホロウ・シカエルボク
合、俺にとって信じる価値のないものだ、実体のない…群れて生きたがるやつらどもが生きやすくするための暗黙の了解、そうでないものを瞬時に見分けるための短いものさし…そいつからは酷い臭いがする、最初に決められたっきり磨かれていないせいだ、放置された家屋の、すでに死んだ誰かの名を刻んだ表札のようなものだ、それは、人間に合わせて変化していくことをしない、人間のほうがそれに合わせて変化していく、そして、たったひとつのプログラムで死ぬまで生きて行けるようになった人間たちが言う、「世の中ってそういうものだから」―愚かしい言葉だ、彼らにとって主体性とはそこにしかない、そのシステムだけが澱んだ目の連中を稼働させ続けて
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