いずれすべては跡形もなくなってしまうけれど/ホロウ・シカエルボク
 
んな違和感を覚えてきたのだろうな―それなりに楽しくやっていた子供時代を別にすれば、俺がこの世界に感じてきたものは常に違和感であり、そして感じさせてきたものもそれだった、もしも、俗物どもがひっきりなしに口にするくだらない常套句が人間であると言うことの条件だというのなら、俺は人間ではないのだということになる、そして、俺に言わせれば、だからこそ俺は人間なのだということになる、相容れない、それはそうだ、本気であれば相容れないのは当り前のことだ、俺はなにも鵜呑みにしない、あつらえられた型枠はいったん脇へどける、それが信じられるものかどうか分からないからだ、そして、始めに信じられなかったものはほとんどの場合、
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