足音が聞こえないやつこそがいちばん長い距離を歩いている/ホロウ・シカエルボク
いていて
生温い水がたっぷり二十秒は出続ける
だけど、だから
最初から美味い水が出る最新式の住宅に住んでいる奴らよりは
水というものをよく知ってるんじゃないかなんてそんな気がするんだ
見つめている時間というものが必ずあるからさ
無自覚でいい、無駄な力を入れなければ
バックグラウンドで動き続けるシステムが出来上がる
表面上の動きや記録なんて細やかなものに過ぎない
そうでなければ表現なんてものにはなんの意味もなくなってしまうだろ
いつだってそうさ
すべてを語る気でいなければ
安売り商品を煽る看板とそんなに変わらないものになっちまう
偽物のシンプルの上に胡坐をかいちゃいけない
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