足音が聞こえないやつこそがいちばん長い距離を歩いている/ホロウ・シカエルボク
俺はそいつを鳴らすなって自分の携帯を躾けた
奇妙な献立は最後まで食わなかった
あとで屋上をうろついてる鳩にでも投げてやろう
情熱のあとの温度は低い、だけどそのかわり
そいつでは語れないいくつものことを語ることが出来る
黙って立ち上がれ、黙って始めろ
動機や意志を誰かに向けて話す必要なんかない
食事と同じで、ただ食い始めて飲み込めばいい
誰もお前が食おうとしているもののことなど知ろうとはしない
お前がそれを食っている姿に何かがあるかどうかさ
黙って行え
意欲は現実を超えない、すべてを捨てたって
たとえば命を懸けてみたところで
それはお前の指を重くするだけさ
動くべきところ
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