足音が聞こえないやつこそがいちばん長い距離を歩いている/ホロウ・シカエルボク
 

脳髄を静かに掻き回すマイルスのエレクトリック
インスタントコーヒーの粉を食パンにぶちまけて湯を飲む
退屈にかまけた下らない遊びさ、ハナから味なんか期待してない
だから心配しないで、俺はまともさ
少なくともまともさを疑うこともない連中よりは
ただ同じことを繰り返したくないだけ
日常に慣れて、間抜けな面をさらしたくないだけさ
ダブ、その感覚
シルクで出来た蛇が身体を這い回るようだ
俺はいつしかポカンと口を開けて
細胞に染み込んでいく音に世界を植え付けられてる
台風が近づいてる、窓の外が揺れてる
みんな必要以上に死ぬことを怖がる
緊急避難速報がそこらで鳴り響いている
俺は
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