9月1日 曇り時々晴れ/道草次郎
 
の頭に細い感情の糸が通されている。その糸はするするとどこまでも続いていて、その先っぽの方では気分の結び目が作られている。それは時におそろしいものに化ける結節点だ。凪から時化へと、瞬間的に。心の大洋には未知のリヴァイアサンが蠢いている。


なんということのない毎日のなんということのない生活の中のなんということのない一動作として、ぼくは今この瞬間に右手をあげる。そしてなんということのない毎日のなんということのない生活の中のなんということのない一動作として、ぼくは次の瞬間には既にその右手を下げている。
こうした一連の事を見通してみて考えるのは、そうした中において何かを差し挟めるのかということ。
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