9月1日 曇り時々晴れ/道草次郎
 
って赤い玉を籠に入れる。赤い玉はすっかり立派な死物と化して、もはや宇宙の彼方へ行っている風情だ。堅苦しい存在の背広を捨て去りじつに晴れ晴れとしている。せっかく楽になったのに猿の紛い物につべこべ小理屈ならべられながら喰われるなんてまっぴらごめん、そんなトマトの声が聴こえるのさ。

周期的にくる心の浮ついた状態。これは有難い。助け舟だ。いつも張り詰めていてやり切れない。こんな時はひたすら愚痴みたいな言葉を書き連ねるのがいい。できたら本を読みたいが、それも今は危ない。この安定した精神もいつ何時おそろしい嵐に見舞われるか分からない。一行は、一行にしかずだ。一行の針山の中に紛れている一本の針。その針の頭
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