9月1日 曇り時々晴れ/道草次郎
いなら、泥を探したい。南の島のヤシの木がうつくしいなら、ヤシの木を探したい。間違ったって、綺麗な薔薇など探すまい。
抽象的な概念で編み上げられ躍動する学的な何か素晴らしいものの存在をぼくは勿論疑わない。それを理解し胸の奥の宝箱にそっと大切に閉まっておけたらいいな、と思う。しかし、それはそれ。飽くまでそれは、ビー玉でありレアな野球カードの類と一緒のもの。ぼくが生きていく上で必要なことは少なくていいが、ぼくが存在してしまっているその在り方をうまく調整するには、宝箱の中身がどうしても必要だという、ただそれだけのこと。
食パンをトースターで焼かなきゃ。お昼を食べるんだ。それが、人間というものだ
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