厭離穢土、欣求浄土/飯沼ふるい
 
をし
ろと(己のものでない痛みの数々とを、
保護者ヅラした親から折檻をうけた。
蛆の染み付く前の話を空に見ている。
あれはなんのウソがバレたときだった
か。ちんぽをさらけ出して宙に浮いて
いることを除けば、俺はいま独り光へ
臨み、清く正しい人間に生まれ変わろ
うとしている(あらためておもい知ら
されれば、そんな気がする。

孔は拡がるのをやめず、そこからこぼ
れていくものがある。蛆だ。尋常なら
ざる力で(涙は空襲のやうに、溶かし
だされている。あぁ、キャトルミュー
ティレーション、ただ存在のためだけ
に溜まり続けた澱がこれほど重たかっ
たとは。寒い。冴え渡りすぎて
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