厭離穢土、欣求浄土/飯沼ふるい
ぎて寒い。
走馬灯も(あふれるものだから、すべ
て過ぎた。(やうやく死ぬのが近づい
たのかもしれない、とうとうこの身体
にも過去形が迫ってきた。はるか下方
の炎はとうに潰えて、目前の光は眩く、
(永遠はまたひとつ崩れ、記述される
俺としての俺の終わりか。しかし宇宙
人の正しいことってなんだろう。(お
前に用意されたあたらしい予言に満ち
る、人生に誤謬があるなら、それは俺
の眼にしかないはずなのだから、あい
つらが棄てていったものがなければ、
残された記述は光へ向かい、暗くなっ
ていく身体だけだ(それもいづれ都市
の言語中枢に食はれてしまう、俺はい
ったいだれとい
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