厭離穢土、欣求浄土/飯沼ふるい
が軽くなる。午前0時過
ぎに在ったであろう俺の身体(回想、
は光へ向かって手を挙げていた。いつ
のまにか俺は上空からその姿を見下ろ
している。魂の救済、解脱、(ばかり
に目を回す、回向なんて求めるほど思
い悩む生き方をしていないが、あぁ、
キャトルミューティレーション、重力
がこれほど人間を縛っていたとは。
俺は(けれどもまだ死ねないから、土
手をくだり(それらを砂に還して鋳型
をつくる、鉄工所へ歩を進めた。空か
ら眺めている限り、俺と(歯ぎしりと、
ジジイとの差など無いに等しい。ジジ
イはいつの間にか全裸にされている。
子供のように手足をばたつかせてはし
ゃい
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