夜の始まりに甘いケーキを/ホロウ・シカエルボク
を知らずに無作法な真似をする連中なんかみんな、流行病でくたばってしまえばいいのさ…路地の先がだんだんと色を失っていく、暮方にはいつも路地裏を歩いている気がする、そこに飲み込まれてしまいそうになる感覚がたまらないのだ、手っ取り早く存在をぼやかしてしまえる手段、自分であるために生き続けるには、自分という存在を時々至極曖昧なところへ持っていく必要がある、分かるだろう?確信はどん詰まりだ、そこらの小さな存在に出来ることなどそもそもたかが知れてる、虚勢を張るのは止めな、みっともないだけだぜ…もうすぐ完全な夜が来る、空家だらけの、外灯なんて数えるほどしかないこの一角では、自分の手のひらを見つめることすら困難な
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