Terminal Frost/ホロウ・シカエルボク
 
字に違いなかった、それは確かだった、文体やリズムも、明らかにそうだった、でもなぜそこにそれを書こうと思ったのか、なぜ血でなければいけなかったのか、そういったことはまるでわからないままだった、俺の血である可能性、と、俺は言葉にしてそう言ってみた、内臓、と、肉体のどこかが答える声がした、まさか、と、俺は答えた、もしも内臓のどこかが損傷していて、これほどの詩が書けるほどの血が溢れ出したというのなら、それは外傷のダメージよりもずっと深刻な話になる、第一血を吐いていれば、床の上にそれらしい痕跡が残っていてしかるべきだろう…なにかで受けた、というイメージが浮かんだ、そのイメージはひどく俺を落ち込ませた、それは
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