無題/朧月夜
、
ボクが見る風景のすべてが懐かしい。
昨日見たものも、今日見たものも、
去年見たものも。来年見るものも。
世界は移り変わっていき、
そこに取り残されるのもまた、一興、
などという、ざれ言を言うつもりはなく、
ただ枯れ果てた木の葉のように、
風に吹かれるままになっている。
自らの性(さが)も忘れて。
自らの性(さが)も忘れて、
追いつくのは何にだろう?
運命は宿命とは違って、
この手によっても変わっていく。
そう、百年の物語を織ろうか。
いつ始めれば良い? 今日か。明日か。
サラダボウルに見入ったまま、
何ということのな
[次のページ]
戻る 編 削 Point(3)