山国の車窓より 〜中央線沿線/道草次郎
している全国でも数少ない駅で、夜景スポットとしても有名なのだ。しかしその時は、うだるような暑さの午後2時。ロマンチックさとは程遠い世界だった。}
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このピアハウスでぼくが経験したいくつかの出来事を少しだけ話してみたい。
ピアハウスは、市に在住する精神障がいを抱える人が通うことのできる作業所だった。ぼくは自分が精神を患っているかどうかはよく分からなかったが、そこに通ってくる人たちが単純に2種類に分けられることに後で気付いた。すなわち、見るからに精神を患っているように見える人と、そうでない人との2通りに。
ピアハウスにはシゲノさ
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