山国の車窓より 〜中央線沿線/道草次郎
 
駐車場の砂利道を横断して行く。自動販売機までの道のりのあいだ考えていたのは、電話のことでも妻のことでも子供のことですらなく、ただひたすらに自分の心についてだった。}





ぼくは26歳の時、突如としてこのままではダメだと思い立ち市の保健センターに電話をかけた。それまでのぼくは就活につまずき、運転免許証取得も中途で投げ出してしまい、いくつかの心療内科と内科と漢方外来を転々としていた。そして、実家に少しだけある農地を耕しながら俳句を詠んだりする毎日を送っていた。

恥ずかしいと思いながらアルバイトひとつ経
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