狂気と才気の狭間/アラガイs
を感じることはできるのだろうか。
生きるという権利が認められる以上死ぬという権利が認められることも否定したくはない。本来人権とはそこまで掘り下げて解釈できうるものではないだろうか。とは言ってみても若くして自らの命を絶つ者が増え過ぎるようでは困る。人間社会という基盤が根底から覆されるからだ。元来動物には自らの命を絶つ、などという習性を持ち合わせてはいない。凡庸な人間ならばそのように考える。それが一瞬のうちに命を絶ってしまうという心理は如何なるものなのか。苦悩が何故人間の心理をそこまで追い詰めてしまうのだろうか。残された家族や友人や恋人の哀しみ。路に迷い暗闇を彷徨い続ける。自らの力で生きる権利を
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