狂気と才気の狭間/アラガイs
 
多児真晴


脳が活動している間は夢でもみていたい。たとえ植物人間のように全身が動きを止めても生きたいと思う。それが本音ではないか。‥‥夢には現実では味わうこともできない希望を擬体験で味わえることもできるからです。   照らされることのない道筋、這い上がることも不可能な崖。その絶望の淵にも微かな希望の光を求めて生きてみる。時代を彷徨う哲学者たちの意見ならばそう真理を突いてくる。 ならば真理とは宇宙の果てを辿るように暗闇に閉ざされているではないか。否、いくら暗闇に閉ざされているとはいえ物質は存在しているのです。あなた方には見えない暗黒の物質が。 などと言われてみれば、見えないものの中にも光を感
[次のページ]
戻る   Point(5)