踊ろう、マジな月の下で/ホロウ・シカエルボク
でもするから」
「必要ない」
「お願いだから」彼女は俺のズボンに手をかけた
「マジかよ」と俺はまた言った
「おひつかふぁいもの」と女は言い訳した
で、まあ
さっきよりは真面目に
黙っていてやろうという気にはなった
女は気が済んだようで
意気揚々と帰って行った
俺は本当に休憩をした
家に帰って夕食を取り
やたらと皆が距離を取りながらはしゃいでいるテレビ番組をぼんやりと眺めて
飽きてシャワーを浴びた
モノを洗うときにあの女のことを思い出した
あいつは見られるたびにあんな真似をしているのだろうか?
案外そっちの方が目的だったりするのかな
綺麗な唇がかぶれなきゃいいけ
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