無性器人間/ふたなりくん/アラガイs
 
の女子が虜になったことだろう。これはまるで翅のある大蛇だ。実際そんな刺青を下腹部のどこかに仕込んであるらしい。二三人のグループになると僕らは決まってその謎めいた話しを交換しながら想像を膨らませる。地上に暴発する脂肪と樹液の塊。吐き出せない思春期の悩ましい苛立ちを片手で慰めているのだった。
    さあ、これから二時間目の体育の授業がはじまる。
わが特別クラスの女の子たちはみんな綺麗に整列をして今か今かと待ち受けている。
なかにはトイレを覗きに行く何人かのグループもいた。 (トイレといっても男女一体どちらに向かへばいいのか誰も知らない。誰も知らないことを理由に男子どもはしょっちゅう賭け事をして
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