独白は灯りの真下を避けて/ホロウ・シカエルボク
 
れの脳裏には、そこらへんのやつよりはずっと出来のいいフラッシュが仕込まれている、それは無作為に与えられるものではない、おれ自身が多分に自覚的だったからそういうものが作られたのだ、疑問符や理由のない、あるいはわからない気がかりに対して、つねになんらかの解答を得ようとしてきたせいだ、無自覚な連中たちはそれを笑った、いつの世も愚か者の立ち位置は良き傍観者であるという場所だ、だからやつらは実際のところ、腕一本自覚的に上げることは出来はしない、彼らにとって動作とはつまり、惰性とおなじ意味なのだ、それが生活を支えているならなおさらのことだ、おれは自分がからくり人形のようになることが怖ろしかった、だからすべての
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