その世界の爆発はいつだって生臭いほどの赤みに満ちている/ホロウ・シカエルボク
 
感触と湿気、ただでさえ梅雨時だっていうのに…ん、もしかしたら、腐乱死体みたいなものを踏みつけているのかもしれないね、嫌な予感がするから裏返すのはやめておくよ―俺の足元に置かれる死体の心当たりなんて一個しかない、理屈を通すための人生はクソだよ、そう思わないか?このところ俺はずっとそんなことばかり考えているよ、解答欄から式を辿っていくみたいな人生になんかなんの興味もない…そんなことをしても、人生かけて知ったかぶりをやり通すくらいのスキルしか得られない、だってそうだろ、そいつは混沌を知らない、混沌を潜り抜ける、覚悟どころか入口に立つ気さえない、だからあらかじめ予測出来る方向へと進んでいく―ぺっと唾を吐い
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