目隠しの奇想曲/ホロウ・シカエルボク
 

指を伸ばして
最初に触れたものの名前を教えて
それはきっとこれからの
示唆を含んでいるから
たとえそれが
取るに足らない冗談めいたものでも
なにも手に入らないよりはきっとましなことでしょう

あなたは戦場に行って
人の死が死でなくなるまで
たくさんの弾薬をばらまいて来た
いまでも夢に見ているでしょう
あたたかいベッドのなかで子兎のようにふるえているもの

夜の在り方はさまざま、ミルクティーを淹れるみたいに
ぼんやりと過ぎていくことだってある
さあ、小難しい本はサイドテーブルに置いて
そんな夢を見る練習をしてみようじゃありませんか

落花生の殻のなかで思い出
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