思えば、出口なんてイデーをはっきりそれと認識したのは/ホロウ・シカエルボク
によく似ていた、でもはっきりそうだと言い切ることも出来なかった、俺は階段へ戻ろうとして、妙な考えにとらわれた…階段でも、エレベーターでもないような気がしたのだ、けれど、目に見えるものはそれしかなかった、階段で一階に降りてみたらどこに出るのかという興味もあったけれど、そうしたところで同じ廊下をまたぐるぐると回るだけだという気がした、まてよ、そもそも一階なのに入口と呼べるようなものもなにもなかったな―エレベーターの回数表示に地下を示すようなものがあったかどうか思い出そうとしたが、思い出せなかった、でもどうしても、怪談でもエレベーターでもない気がした、俺は自分によく似た皮を持ち上げてみた―落とし穴が開き
[次のページ]
戻る 編 削 Point(1)