思えば、出口なんてイデーをはっきりそれと認識したのは/ホロウ・シカエルボク
、それから俺が下りて来た階段を指差した、なるほどね、と俺は納得した、もしエレベーターで降りて来ていたら、そのままこの血の風呂へと落下していただろう…俺は片手を上げて階段へと戻った、男は片手を上げてそれから沈んで行った、三階はただただ真っ暗い闇だった、それほどにも暗い闇を俺は何と呼ぶべきか知らなかった、騒がしいほどの静寂のなかで佇んでいることは出来なかった、そこに何らかの合図があるとも思えなかった、階段へと戻るドアを見つけるのも簡単ではなかった、俺は階段を下りた、二階には何もない空間に巨大な人間の皮が落ちていた、人間からなんらかの理由で内容物がすべて消え失せたみたいな感じだった、そしてその皮は俺によ
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