思えば、出口なんてイデーをはっきりそれと認識したのは/ホロウ・シカエルボク
に出した、ちょっといいかな、と、俺の言葉につられたみたいに女子高生が喋り出した、「わたしのこと、可愛いと思う?」「悪くないよ…鬱血してなけりゃいいセンいってると思うよ」そうかぁ、と、女子高生はどちらにでも取れる調子で呟いた、じゃあ、と言って俺は階段に向かった、ここがどんなものなのか訊いてみても良かったが、きっと満足のいく答えは得られないだろうという気がした、女子高生以外はひとりも声を出さなかったが、彼らの視線がずっとこちらに注がれているような気がした、階段は明るく、清潔だった、きちんと清掃がされているということだ、すぐに四階についた、「4」と大きく書かれたドアを開けようとして、ささやかな疑問が生ま
[次のページ]
戻る 編 削 Point(1)