不意打ちのようにやって来る/ホロウ・シカエルボク
 
ナマズのような唇の間に腕を突っ込んで
掴みあげられるほど簡単なものではない
生かせてもらえないのだ
生かせてもらえやしないのだ
すべてを切り離してあらん限りの成果をそこにばら撒くことが出来なければ
いくら時計を見つめても眠ることなど出来るはずもない
それは欲望のように、激しい雨の日の雨垂れのように
容赦なく存在を蝕みにくるから
やつらの息が枯れるまで吐き出してやらなければならない
主導権がどちらかなんて
気にしていたらなにも始まらないままに終わりを迎えるだろう
いつだって理由はきちがいじみた衝動のなかで
切り刻むためだけの牙を光らせているものさ
暴力や暴動―他人のために行
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