愚かさの取り分/ホロウ・シカエルボク
こと切れそうな灯りが、埃の海に飲み込まれそうな木の床を探している
流れているジャズはスローで、消えないものに心をこだわらせる
まばたきのつもりだったのに眠っていたのか、そんな判断もつかないほど
現在は曖昧で、一枚板の分厚いテーブルの上でグラスの滴りに濡れている
週末の夜に街路を賑わせていたのは雨粒だけだった、俺は傘を探して
最早家に帰るのも面倒なくらいにくたびれ果ててしまった、タクシーは
濡れ鼠など相手にしないで恵んでくれそうななりのやつに媚びるような速度で近付く
酔いは最も針を当てられたダーツの的のように途切れがちで、無意味な痛みとすり替わる
どうせならシャンソンにしてくれれ
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