カウントを取るにはビートが染み込んでいなければならない/ホロウ・シカエルボク
 
んとそのことを忘れ始めているみたいに見える、けれど俺はそのことを忘れることはないだろう、そうして無数の無駄の中を潜り抜けて来た、だからこそ人は何かを手にすることが出来る、俺はまだそれを手にすることは出来ない、けれど切符を手に入れるくらいのことは出来ているはずだ…勘違いして欲しくない、俺が欲しいのは現実的な、あるいは庶民的な成功のことではない、それは俺自身の新しい場所に過ぎない、俺自身が俺自身のままで、どこまで行くことが出来るのか、俺が知りたいのはいつだってそのことさ、訳も分からず手を付けたことが、訳も分からず惹きつけられた何かが、回を重ねるごとに見えてくる、回を重ねるごとに霧が晴れてくる―それは昔
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