カウントを取るにはビートが染み込んでいなければならない/ホロウ・シカエルボク
 
もしれない、あるいはそれはいまいちばん早く用意出来るもっとも安直な結論というものなのかもしれない、本当の理由はいつだって落とした硬貨を拾うようには手に入れられないというわけさ、朝からずっと同じ音楽が流れ続けていた、その日特別聴きたかったものというわけではなかった、ただ、それを何かと交換する理由がなかったというだけのことだ、特別なこだわり以外はだいたいそんなふうに進行していく、これは理解しておいて欲しい、時間は、基本的にはどぶに捨てられるためだけに歩みを止めないでいるのだ、二度と取り戻せないものだからって、すべてがかけがえのない時になりうるはずもない、言い換えればそれはつまり、俺たちは無駄の中に放り
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